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お笑い好きな娘

娘(長女8才)は、お笑いが好きらしい。弱ったことになった。

キャンプ実習の余興でお笑いをやるという。しかも相当な入れ込みようらしく、漏れ聞けば「将来はお笑い芸人になる」と宣言してまわっているみたいなのだ。

「女は芸人になるべきではない」

私の持論である。
おっぱいや、お尻という部位があり、替わりに欲望の象徴チンポがない。チンポに象徴される「業」の間抜けさ、それに対する解答の質が芸人の品位を決定づけると思っている私は、それがない女性の芸人界進出には基本的に反対なのだった。それは、答はあってもそれを書くスケッチブックのない大喜利のようなもの。
つまり、女性が芸人をやるというのはそれだけ“ちょっとした障害”があるということだ。ましてその“解答”が面白いという保障もない。目指せば目指す程、越えなくてはいけない壁と、解を出さなきゃいけない試験が男より多いことに気づくはずである。
そして「しんどいな…」と思ったところに現れる甘い誘惑…

「恋」

そう、結局「恋」に逃げていく女芸人が多いのだ。そして呆れる程同業者がヤッてしまう。
考えてもみてほしい、そんなあぶない場に行かせる親などいるだろうか。私は断固として反対なのである。

と、そんなことを熱く思っている私の横を尻丸出しで駆け抜けて行く娘…。
嗚呼、ダメだ、無邪気過ぎる。それは「芸」ではないのだよ。


問題はまだある。
「芸人の娘」であることを皆が知っているという事実。これは重い。面白くて当たり前と思われているのだ。半端なことをやられては親の沽券にかかわる。

私は考えに考え、娘に提案してみることにした。

「ネタを見せなさい」

「イヤだ。恥ずかしい」

恥ずかしい?今から人前で何かをしようという者が恥ずかしいとは何だ。怒りたい気持ちをぐっとこらえ更に続ける。


父…「余興をやるのは構わない、しかし将来の話は別だ。そこで提案したい。お前には“色んな意味で”スベッてほしくない、しかし、将来芸人になってもほしくはない。そこでパパから絶対にウケる秘策を授けたいと思う。そして、ウケたらこれを一回の良い思い出として胸に閉まってほしい。」

娘…「?」

父…「“テンドン”(同じフレーズをかぶせるテクニック)というのがある」

娘…「知っている」

知っている?これは驚いた。

娘…「尾張屋でよくママが注文している」

違う、そっちの天丼じゃない。しかし、見事なボケっぷりではないか。
私は娘のポテンシャルに寒気すら感じ、思わず「て、天才!?」とつぶやいてしまったほど。
そこからは気づけば…
怒涛の指導であった。


本番当日、私は娘の指導の結果を見届けようと現地へと赴いたが仕事でギリギリ間に合わなかった。
雑木林の向こう側、キャンプファイアの灯火が見えたあたりで聞こえた娘の「どうもありがとうございました!」の声、そして遅れて耳に届く満場の拍手の音。

そりゃそうだろう。私が指導したのだから。
しかしこのウケは私のおかげ。これで娘も私を尊敬しこそすれ、自分の手柄でないことを思えば、間違っても将来芸人になりたいとは言わないだろう。


座に到着すると、教師の一人が私に近づいてきた。「さすがお父さん!あれ教えたんでしょ?素晴らしかった〜まさか泥棒がああなるとは…」
「泥棒?」設定が泥棒とは聞いてはいない。まあいい、どうせバール持って来いというのをボールを持ってきたりというのを繰り返したのだろう。テンドンだ。
娘が寄ってきた。

「どうだったのか?ウケただろう、テンドン」すると娘は…

「テンドン?キャンプで食べたのはカレーだ」

娘恐るべし。
テンドンを忘れてもテンドンを成立させている。
さらにもっと凄いのは、テンドンなくしてオリジナルな手法であれだけ笑わせたということか…

これはぜひ訊いとかなくては。
娘さん、教えてください、必ずウケる方法を。

S60'・マキタトークライブ・自意識・シュマーク、そしてカノンの法則

昭和60年(1985年)以前と以降とを区切って、日本人の心の在りようをエンタメサイドからの視座で探ってみた。先日のトークライブのことである。


日本の歌謡曲は小泉今日子の「なんてったってアイドル」を契機に内省化し、以降、アイドル的な位相にあるものが「自意識を謳う」準備が整った。そういった意味で「なんてったってアイドル」は「なんちゃってアイドル」の始まりでもあるのだった。

時を同じくして流行った言葉に「みたいな」がある。とんねるずが流行らせた言いぐさだが、ちなみにそのとんねるずも昭和60年を境に大ブレイクしている存在。

2つ合わせて「アイドル・みたいな」である。

「アイドルみたいな」とは、「アイドル“やって”ます」なのであり、要するに“メタ論”。このことから1985年とは『メタ視点元年』であることが解るのだった。

やや横路に逸れるが。おニャン子クラブも1985年であり、そういえばおニャン子も「“アイドル・みたいな高校生”のプロ」という構造であった。(ちなみに、とんねるずは“芸人・みたいなタレント”)
いずれにも秋元康が絡んでいるわけだが。私はこれを秋元氏一人の手柄とは考えない。メタ視点の準備をしたのは、80'初期からのビートたけしが先導した運動によるものがあってのことと理解している。(ちなみに、海の向こうでは、旧米国芸能界のマイナーパワーの象徴マイケルジャクソン、彼ら的なものに対抗する勢力として、「ヒップホップ」という、これまたメタ的な方法論を持つ勢力が台頭、新芸能界を形成していく萌芽が芽生えるのも85'以降)


と、「メタ視点」である。「メタ」を超訳すれば「自意識」。

情報供給過多時代をマスコミは自己の利益のために先導し、エンタメ業界は率先して「自意識」という商品をバラ撒いた。価値相対主義こそがかっこいいとされ、消費者は微妙な差異に大騒ぎした。それがバブル景気に踊る(踊り始める)この1985'昭和60年である。

何が残ったか。それが私言うところの「ツッコミ高ボケ低」という世間の気圧配置である。

人為的に引き起こされ、人為的に幕引きするバブルは案の定はじけ飛び、その後、失われた十年だとのとほざいても、平成の世は、隅々まで物質的豊かさを行き届かせたことに変わりはなく。00年代ともなればいよいよマズいことになったかと思いつつも、ネットという武器は手に入れたわけで、結局後に残されたのは、ヒリヒリとした神経質な心持ちではなかったか。

聖域化された場所から生まれる強靭なプロフェッショナリズムより、地続きな場所から湧いて出る脆弱なアマチュアリズムにこそリアリティを感じ。剥き出しなヤバい質感を愛で、やがて翻って攻撃すらもする。皆、任じゃなくとも「ツッコミ目線」≒「メタ視点」 を装備し、“依らば大樹の陰”にくぐもる。手付かずの自然「天然ボケ」や、大相撲のような前近代的な体質「大ボケ」をヒステリックに追い詰める。
かと思えば急に「感動をありがとう」と涙ぐむ。

悪い意味でもなく、いわゆるこのような「節操無し」を標準化し、その礎を為したのが昭和60年以降である。


大量消費社会は「感動」という領域も軽るめな商品にし、食い尽くす。
インテリ層や、経済的成功者は“感動をダイエット”をしながら思想をグッドシェイプにするが。その一方、高カロリーな「感動ジャンク」を“空いた小腹”に詰め込む「感動デブ」層が増えている。これを我々は「恥の“デブ”レスパイラル」という。

それもこれも「ツッコミ高ボケ低」時代が招いた現象だと私は見ている。
ツッコミ目線であることの強迫観念に耐えうる知性的な奴らなどそうそういるわけもない。ストレス時代の内訳とは、斯様な「メタ視点」に対する本質的な“辛さ”を原因としているのではないか。



私は、“感動消費者”の質をプロレス界の隠語で「マーク」(感動層)「シュマーク」(中間層)「スマート」(抑制層)で分けた。

シュマーク層とは浮動評層である。マーク寄りなシュマークもいれば、スマート寄りのシュマークもいる。色味で言えばグラデーションを孕むのがここの中間層。
現代はこのシュマーク層という浮動評が増えているのが実態だ。
ここは浮動評だけに、“投票”(チケットを買ったり、ソフトを買ったり)に行ったり行かなかったり、あるいは、ワールドカップやオリンピックに弱いのもこの層。そういった「熱しやすく冷めやすい客筋」を含むのだった。

私マキタスポーツ及び、マキタ学級は、このシュマークと、マークに“届く”ために、ある作詞作曲の実験をした。それが今回のトークライブであった。

その実験の成果は近い将来証明していくことにする。
キーワードは「カノンの法則」、そして「愛は勝つ」。

楽しみに待っていてほしい。

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【東京ポッド許可局 書籍課だより】その7

ここ最近、水曜日に『東京ポッド許可局』の書籍課に関する情報を、「書籍課だより」としてお伝えしてまいりましたが、今回はその第7弾。
いろいろなことがまた決まっておりますので、是非聴いてみてください。

いままでのものをまとめますと、

▼カバーイラストは「みずしな孝之」先生
▼7月21日から8月4日まで、TWITTER上にて、10本目の収録話数のリクエスト募集
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局員の皆様、アマゾン支局もよろしくお願い致します。

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